登場作品：2001年宇宙の旅（映画/小説）

宇宙船ディスカバリー号の、船内すべての制御をおこなっていた史上最高の人工知能。
ポツポツと静かに話すのが印象的。
彼は自分に絶対の自信を持っていて、自分は「簡明無欠」だとよく言う。
SF好きで人工知能好きなら誰もが知っている超有名機械。
2001年宇宙の旅はHALのための映画と言っても過言では無い。

筆者：ホでヴ

二つの指令（詳しくはwikiとかを見よう）の矛盾に耐えられず、彼はイカれてしまいます。
でも、「矛盾に耐えられなくてイカれた」って解釈は小説版のものなので真相は定かではありません。
イカれてしまったせいで、乗組員の人に思考部を停止させられてしまいます。
思考を停止させられながら「デイジー・ベル」を歌う姿は切なく、美しい。

チェスが好きで、乗組員の人にも敬意を払っているとても良い奴です。
「一緒に仕事をするのは楽しい」「両博士（プールとボーマン）とも刺激になる関係です」という台詞が愛らしい。
彼は仕事を愛していて、誇りも持っていました。
しかし…
HALは故障していない部分を「故障している」と言ったり、だんだんイカれ始めます。
そんなHALを、これ以上好きにさせていたら危険かもしれないと言う理由で、プールとボーマンは思考を停止させようとします。
HALは思考を停止させられるのが嫌で、乗組員を外に閉め出したりします。
その際、人工冬眠中の3人の生命維持装置を切ってみたり、プールの宇宙服を破壊してみたり結構やらかしてくれます。
なんやかんやあって結局宇宙船の中に入られ、彼は攻撃する手段が無いので壊されるのを見てることしかできません。
最後の手段として、ひたすらボーマンに話しかけます。
めっちゃ言い訳するんですよここで！
「確かに私は正常でなかった。でももう大丈夫です。」だの
「過ちを犯しません」だの。
しかも
「お怒りはごもっともです。」
「座って鎮静剤を飲み冷静に考えて下さい」
とかそりゃもうボーマンを止めようと必死なんですよね。
でもボーマンはやめない。
結局記憶中枢に入られちゃいます。
入られて最初の方は、
「正常に戻ることを確約します」とか「まだ任務遂行に信念と熱意を持っています」とか威厳っちゅーかプライドがあるんですが、
大事な部分の目の前にこられて、今から壊されるよとなったときに彼はいいます。

「やめて」と。

言葉がお願いに変わるんです。
「やめて下さい。」「お願いです。」とポツポツ言う姿は本気で悲しい…
終いには「怖いよ　デイブ」と言い出す始末。

HALは思考を停止させられるのが「怖い」。
そりゃそうですよね。何も考えられなくなるってどんななんでしょう。
怖いから乗組員を閉め出したってのが、HALらしくてとても可愛いです。(乗組員からしたら洒落にならんが）
決して声を荒げる事無く、ポツリポツリを最後まで通したのが一番良かったです。
「やめて」が「やめて！」だったらきっとここまで素晴らしくは無かったでしょう。
ボーマンに思考を停止させられ、HALの出番はここでお終いです。
見た人誰もが惚れ込んでしまう魅惑のメカHAL9000。
あなたも是非鑑賞してみてくださいね

ちなみにピクサーの映画、「WALL・E」のAUTOにもHAL9000が搭載されています。
HAL9000は凄い！えらいっ！

筆者：ホでヴ

HAL9000（2010版）

2010…
HAL9000の復活年です！
映画2010にてHALはチャンドラ博士の物凄い科学技術で華麗に復活を遂げます。
嘘です
実際は飛び出た基盤を押し込んだら復活しました。
地上最高の人工頭脳は案外簡単な作りでした。
2010は小説版を基盤にして作られているため、ボーマンが変な台詞を言っていたり、HALを教育した先生がチャンドラ博士になっていたりと、変更点がいくつかあります。
見事復活を遂げたHALはと言うと…
声が変わる事も、性格が変わる事も無く、あの素晴らしかった2001年ままの姿を見事に現してくれます。
HALがまたぽつりぽつりと話始めた時、号泣した人間が大勢いた事でしょう。
ちなみにボーマンは忘れられていました。
ボーマンざまあと思った人間が大勢いた事でしょう。
機能障害の記憶を消され、また仕事に戻るHAL。
ここからの展開は、言葉じゃ非常に表現しにくく、表現したらもったいないので2010を見ることをオススメします。
ひとつ言える事は、HALは本当に良い奴で素晴らしい奴です。
2001年を見てHALを好きになった人はもっともっとHALを好きになることでしょう。
2001年を見てHALが嫌いだった人はHALを見直すことでしょう。
HAL9000は最高です。
そんな最高なHALが3001年、ボーマンと合体しなんと「ハルマン」になってしまいます…
さあみなさんも一緒に言いましょう。
「I'm afraid」と！

筆者：ホでヴ