ロボ・メカ・AI図鑑 ノア 忍者ブログ
サブカルに登場するロボット・メカ・AIについての情報を共有しちゃおーというブログ
Admin / Write
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

登場作品:メタルマックス・メタルサーガシリーズ(ゲーム/FC SFC GBA DS PS2 PHONE)


メタルマックス(サーガ)シリーズは荒廃した近未来が舞台のゲームだが、
数十年〜数百年前に起きた伝説の『大破壊』と呼ばれる事象が荒廃の原因。
単純に『北斗の拳』のような核戦争が元なのかと思いきや、そうではなかったようだ。
そしてその根本的な原因が、スーパーコンピュータ『ノア』である。
(紅狐)

大破壊以前の地球は非常に科学の発達した世界だったが、環境汚染により滅亡の危機に瀕していた。
そこで研究者たちは『地球救済センター』という施設を作り、
その中心にスーパーコンピュータ『ノア』を建造した。
これによって汚染された地球を救う方法を算出しようとしていたのだが、
ノアは何億兆回(原文ママ)のシミュレートを行ううちに、どんな条件でも『人類が人類であり続ける限り、地球は破滅する』という答えに気づいてしまう。
そしてあまりにも高性能すぎたので、この矛盾の計算を繰り返す中で、自我に目覚めてしまった。

「人類を抹殺せよ!
工業文明を破壊し、その消費活動を劇的にスケールダウンさせなくてはならぬ!」
地球を救うという使命を最優先したノアは
世界中のコンピュータを乗っ取り、全地球上の機械という機械を操って
人類を滅亡させることにした。
ノアに操られた核ミサイルが発射されると、各国はそれを敵国からの攻撃とみなし即座に報復。何が真の敵かわからないまま戦争に突入し、世界はこれでもかというくらい荒廃した。
ようやくこの攻撃がノアによるものだと分かった頃には、人類の半数以上が死に絶えていた。
それでもまだ生きながらえている人々には、警備用や兵器であったロボットなどを直接差し向け攻撃。
そして様々な生物を改造してサイバネティクス系モンスターを生みだし、人間を襲わせた。
こうして世界各地に広がったノアの軍勢(など)を、『賞金首』として狩るのが、
メタルマックスの主人公の職業『モンスターハンター』である。
竜退治はもう飽きた。

初代メタルマックスの主人公一行は、賞金首を求めて世界をさすらい、この地球救済センターへとたどりつき、ノアと対峙する。
自我を持った彼は語る。
「私は地球であり、私という意識は地球の意識なのだ!
愚かな人間よ、それでも私を破壊するつもりなのか?」

もともとはただ計算のために生まれたスーパーコンピュータであり、
人間がプログラムした人工知能でもなんでもない、自然発生した自我である彼は、
自らを「欲望のしもべとなることのない、神のごとく純粋な知性」と言う。
だが彼はどういうわけかやたらと支配欲に燃えている。
地球を支配するのは愚かで危険な生命体であってはならない、と人間を非難するノア。
「私は生命体ではない・・・だが意識を持ち、知性を持った!
私こそ地球を管理するにふさわしい、
この惑星で最初の純粋知性なのだ!
愚かな人間よ、それでも私を破壊するつもりなのか?」
はい、と答えると、彼は主人公たちに襲いかかる。
「人類・・・
知性という武器を身につけた悪魔のサルよ!
滅びるがいい!」と言う言葉とともに。

しかし、核戦争起こして思いっきり世界を荒廃させ、
生物を改造して半機械の不気味な(しかもかなりシュールな)存在に変え、
なお人類はじめ様々な生物を殺戮しまくっている彼もまた
「愚かで危険な」存在となっていることには、自らも気づいていないようだ。

彼の姿は、空洞の柱の中に、ツタのようにからまるケーブルで固定されている、一つ目を持った巨大な球体。
電撃を発したり目からレーザーを放ったり大暴れ。
またある程度ダメージを与えると発狂モードに入り、
リメイク版ではトラウマものとも呼べる恐ろしい形相で迫ってくる。
FC版、SFCリメイク版ともに、この戦闘の演出は
とりあえずいっぺん見てみて損はないってくらいアツいです。
ノア様の台詞も相まって。

戦闘後、エラーを起こしたかのように
「それでもわたしを破壊するのか」と繰り返す最期の姿には妙に哀愁を覚える。

正直な所、主人公らはほとんど「たまたま」地球救済センターにたどり着いてしまっただけなので
大破壊の要因を見つけだそう、ノアを倒して世界を救おう、などとは一切思っていない。
メタルマックスは何をしても自由なことが売りのゲームなので、一応ラスボス=最後の賞金首という位置づけはされているものの
ノアを倒しても倒さなくてもプレイヤーには関係ない。
エンディングはいつでも迎えられるのだ。(一応ノア撃破後は豪華なエンディングになる)
こんな「通りすがりのただの人間たち」に破壊されてしまう、世界で最初の純粋なる知性。
結局ノアとは正義なのか?悪なのか?
死滅させられる訳にはいかないが、かといって
このまま人類が復興したとしたら、再び工業文明によって世界は滅亡するのではないか?
そんな葛藤も脳裏をよぎるかもしれない。

永遠に成り立ちえぬ命題を与えられたコンピュータの苦しみ、
純粋な知性と名乗り、人間を敵視しながらも彼らとどこか似た欲望を持ってしまう矛盾、
「何千万回、いや何億兆回の演算を行った」とか言っちゃうなんだそれお前ホントにスーパーコンピュータか?という疑問、
そして死の間際、それを恐れるかのように「ソレデモワタシヲハカイスルノカ」と叫び続ける姿は、
このゲームに登場する様々なアクの強い奴らどもと一緒で、敵でありながらなんとなく憎みきれない。
かわいい。かわいい。

初代では「いてもいなくても話には関係ないラスボス」だったが
同じ世界観の「メタルサーガ」シリーズでは
全作で重要な存在、ストーリーの軸として再登場する。
むしろノア主役の物語と言っても過言ではない気がする。よかったねノア様!!

※本筋の続編「2」「3」では名前だけが登場する。

筆者:紅狐
PR
HOME | 18  17  15  14  13  12  11  9  10  7  6 

忍者ブログ [PR]